子供を動かす法則  向山洋一 著

 

子供の教育に携わる身として、非常に勉強になる内容だったので

忘れないようにアウトプットします。

 

『子供を動かす法則  向山洋一 著』

 

 

目次

1. 印象に残った言葉や表現

2. 気づき

3. 今後の行動

 

 

1. 印象に残った言葉や表現

 

子供を動かすにはまず長年研究されてきた原則、法則を勉強しよう。いきなり我流でやってはいけない。

 

 

【第一部】

 

・最後の行動まで示してから、子供を動かす

では、どのように指示をするといいのか

 

1. 何をするのか端的に説明する

長々と喋ると子供たちは集中していられない

 

2. どれだけやるのかを具体的に

 

3. やることが終わったらどうするか

 

4. 質問は一通り説明が終わってから受ける

説明途中に質問まで答えていたら子供は混乱してしまう

 

5. 個別の場面を取り上げてほめる

𠮟るよりもまず褒める

 

 

ここまで読んで、この原則は子供に話す時だけでなく、社会でも非常に役に立つなと思った。裏を返せば、子供だからといって何でも優しくゆっくりと説明する必要はない。勝手な子供扱いはむしろ逆効果になる。

 

 

子供集団を動かす三原則

 

1. やることを示す。

具体的な目標を掲げ、やることを絞り込めるようにする。漠然としていてはいけない。

 

2. やり方を決める。

仕事の内容、誰がやるのか、いつやるのかの部分を明確に。

 

★子供にやり方を教える時

『言って聞かせ、やってみせて、やらせてみて、ほめてやらねば人は動かじ』

- 山本五十六司令官 (日本軍の最高司令官)

これでも動かない場合、これを繰り返す。ほめる、𠮟るはやったことに対する評価。やらせる前から怒ってはいけない。

 

3. 最後までやり通す。

集団の目標実現には、リーダーの最後までやり通す意思の持続が必要不可欠。

では、いかにして最後までやり通すか

(1) 時々、進行状況を確かめる 

(2) 前進した仕事をとりあげほめる

この成功例により、何をやっていいのかよりはっきりする

(3) 偶発の問題を即座に処理する

放っておいて問題を大きくしてはいけない

 

 

最後の行動まで指示することは子供を自由にする

例えばお昼の休憩をいかにとらせるか。

✖ 都度、指示を示す

ごはんの指示をする、食べ終わったら『遊んでいいよ』と指示をする、集合時間になったらそれを指示する。このようでは、子供は次にやることがわからないので自由ではない。自分で工夫して時間を使う状況にない。

○ 一時までに帰りの支度をして集合する

大枠 (最後の行動) を決めてあとは子供に任せることで、子供は自分なりに工夫して自由に過ごすことができる。

 

 

原則を知ること、学ぶことと共に、実践の場ではそれを微修正する応用力が必要となる。

これが、実践力である。

 

私たち教師は、子供という弱い人間を対象としている。だから、なりふりかまわずやれば、子供を動かせることもある。だが、そのような場合は、子供が傷ついていることが多い。

 

 

四月の初め、子供たちが新しい教師に次々と質問をするのは、しくみとルールがどうなっているかを知るため。そのため、1年間のしくみとルールは初めにしっかりと構想をたてなければけない。

それらを考えるときに配慮すること。

(1) 今までのルールと違っていないか。

(2) そのルールの意味、なぜ教師がそう判断したかが語られているか。

(3) 学級内の全員に伝えられたか。

この点は注意が必要。次々に聞きに来る子供たちだけに返事をしたのでは全員に伝えたことになっていない。聞いてこない子供にも伝えなければいけない。

 

 

𠮟ることによって動かすのではなく、褒めることで動かせているか。

・悪いものは絶対に褒めないが、いいものは褒める。

・出る杭をさらに出させる。

 

特別少年院に入る子の共通事項

・小さい時から今まで一度も褒められたことがない。

・小さい時から今まで一度も成就感を抱かなかった。

・大人に対する強い不信感。

 

 

【第二部】

 

・休み時間にまで食い込む授業について

休み時間終了5分前の予鈴を鳴らすなら、授業終了5分前の予鈴も鳴らすべきである。

 

休み時間は授業と対抗し得るほど多くのことを学ぶ。休み時間は、学ぶ時間であり休息する時間なのである。どれほど優れた授業でも、この休み時間の価値には対抗しづらい。

 

・具体的な動きは明確な言葉でスパッと伝えるべき

具体的な指示は管理のしすぎと思うかもしれない。しかし、その逆で疑問形のあいまいな指示は子供のすべてを束縛する。

 

憲法・法律という決まりがあることによって、人々は自由なのである。

それ以外は許されるからである。

 

 

 

2. 気づき

 小学校などの集団の教師は本当に大変だなと感じた。

教師という立場は子供と比べてどうしても強い立場になってしまうので、自分の言動を常に振り返る必要がある。大人同士なら何かまずいことを言った場合すぐフィードバックをもらえるが、子供はそうはいかない。そうして知らず知らずのうちにどんどん子供はとの心の距離が離れていってしまう教師にはなってはいけないと思った。

当然のことながら自分がされて嫌なことは子供も嫌である。相手の立場で物事を考えることを忘れてはいけない。

また、勝手な子供扱いも無用。思っているよりも子供たちは自分で工夫して対応する力がある。

あいまいな指示が実は行動の自由を奪ってしまうということは興味深かった。

 

 

3. 今後の行動

書かれていることを実践していきたい。また、これらの原則・法則は実社会でも使えるものなので、仕事やプライベートの対人関係にも応用したい。